どうもこんつくは、グレートエスケープ中の管理人です。
トラブゾンから内陸に入り、よくわからない側道での野営明け トルコの至宝ともいえるスメラ修道院に向かいます。
ここまでのルート
Sumela Monastery
朝、側道には工事用の車両が通るような音が聞こえたから 早めに撤収する。
スメラ修道院に向かう山道を上っている途中から雨が降ってきた。
トルコに入ってから、天気はかなり不安定で 雨が降ったりやんだりを繰り返している。
修道院の駐車場に着くと、トルコのライダー達も続々とやってきた。
駐車場からはマイクロバスを使って修道院に向かう。
スメラ修道院が断崖絶壁の中に建つこの異様な様は、修道院に行ってしまうとみる事ができない。
マイクロバスから見える一瞬を狙って何とか撮れたのがこれだけど、今思えばバスをパスしてでも 山道から写真を撮っておけばよかった。
まぁ旅に後悔はつきものよね。
マイクロバスの到着店から更に参道を歩いて 修道院に近づいていくと、
垂直に切り立った断崖にへばり付くような形で修道院の外観が見えてくる。
今まで見てきたどんな修道院よりも異質な雰囲気だ。
外壁で一際目立つアーチはかつて修道院に水を供給していた水道橋で、そこにへばりつくような急な階段を上って、中へはいっていく。
壁内に入ってバックヤードの眺め。
小さな礼拝室や図書室、厨房や学生寮などの小部屋が脇に並ぶ急な階段を下っていく。
観光客が入れるのは外観から見えるうちのほんの一部で、どの部屋もきれいに修復されている。
立地的に落石がひどかったようで、2015年から3年近く修復工事がつづいていたらしい。2019年から、再一般公開された。
修復中には秘密のトンネルが見つかったり、現在でも未公開のフレスコ画が発見されたりと、ミステリーが尽きないところもスメラ修道院の魅力のひとつといえる。
最もアイコニックな Rock Church; 洞窟教会。
伝説によると、4世紀のアテネの司祭 Barnabas; バルナバスと Sophronius; ソフロニウス の夢の中に聖母マリアが現れて、聖ルカが描いたイコンを探すよう啓示を受ける。そして2人は長い旅の末 この洞窟で聖ルカのイコンを見つけ その場所に修道院を建てたという。
明確な建設時期は不明で、トルコは386年と公表している。ローマ帝国 テオドシウス1世の治世だ。
Rock Church の外壁を覆う 壁画。
様々な違う時代に描かれたらしいけど、ほとんど18-19世紀に描かれたものらしい。にしても、落書きがひどい。
トルコ政府もこの削るような落書きは深刻とみたようで、洞窟教会の周囲には常に警備員が巡回していた。
よほど宗教的な軽挙妄動でもなしに、落書き気分で人類の遺産に切削創をつけるやつは、まじで頭がおかしいと思う。
修道院は何度も荒廃と修復、盗掘や増設を繰り返して 特に東ローマの後継国 トレビゾンド帝国の元で最盛期を迎えた。
入口から中にはいると、
教会の内部もフレスコ画で覆われている。
特に天井部分のキリストと聖母像がド迫力。
イスラームを国教とするオスマン帝国の治世下でも スルタンからの庇護を受けて存続しつづけた修道院は ロシア帝国によるトラブゾン占領と、その後のトルコ共和国の樹立を経て今に至る。20世紀近代以降も、火災や盗掘行為、落石などによって大きな被害を受けるものの、先の修復によって今この姿を留めている。
反対側より、洞窟教会を眺める。
一部には14世紀に描かれたというフレスコ画も現存するらしいが、どの壁画がそれなのか、、、
狭い通路や、その脇にある小部屋がいくつも連なって、迷宮のような雰囲気。
だけど、洞窟教会以外に関しては あまりにも綺麗に修復されすぎて もはや原型はとどめていないようだった。
さて、スメラ修道院につづく参道を戻ると 分岐してる道から他の教会につづく道がある。
石造りの小さな外壁の中に入ると、
Ayavarvara; アヤ・ヴァルヴァラ教会が建っている。
あまり情報がなく、現地の看板曰く 18-19世紀の建設で、この教会も2016-17年の修復作業で復活したらしい。
将来的にはスメラ修道院への玄関口的な役割を担う かも とのこと。
スメラ修道院の入場料は約30€.
最初正直目を疑ったけど、後々トルコの遺産は遍く入場料が高いことに気づかされる。
30€というと、ジョージアだったら4~5泊できてしまう金額だ・・・
こりゃあ、場所を選んでいかないと ガソリン代と併せて一気に予算が減って行ってしまう。
※165€でミュージアムカードを発行すれば、ほとんどの史跡を60TL前後 で入場することができる。
今思えば、トルコに入って初めての遺跡であるスメラで ミュージアムカードを発行しておけばよかった…
Erzurum へ
スメラにいる間は止んでいた雨がまた降って来た。
道脇で鉄窯が火にくべられてる。暖をとってもいいくらい周辺の山道は涼しかった。
ハイウェイの分岐点 Machika の街までおりてくると、雨はすっかり止んで 気温も一気に暑くなってきた。
トルコ北東部の道をゆく。
なぜかブルーにライトアップされるエキサイティングなトンネル。
国土が広いから TET記載のダートをあえて行くようなことはせずに、普通にハイウェイで距離をかせぐ。
黒海沿岸の不安定な雲行きはどこぞ、内陸にはいると まるで中央アジアの大陸性気候を彷彿とする突き抜けて乾燥した空気を味わうことになる。それもそのはず、トルコの内陸は大陸性気候帯に分類されるようだ。
途中、いくつも小さな街を通過していく。
Karasu Stream; カラス川
トルコでは、大型河川や湖畔の周囲がフェンスで囲われてることが多い。
トラブゾン周辺から約300km,
Erzurum; エルズルムの街に到着した。想像してたより大きくて賑やかな街だ。
世界には、もう名前だけで旅欲を掻き立てる場所が沢山ある。
実在はしないけど、例えば エルドラド とか、その響きだけでゾワゾワするじゃない?
管理人にとっては、エルズルム もそんな “名称雰囲気ゾワゾワ都市” のひとつ。深夜特急のトルコ編にも登場するこの街を 徘徊してみようじゃないか。
つづく