こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。
ヨルダン南部の港湾都市 アカバを去り、寄り道をしながら北へ向かいます。
Wadi Rum へ向かう
ワディ・ラムといっても、すぐに思う浮かぶひとは少ないかもしれない。
ワディ・ラムはヨルダンが誇る複合世界遺産で、ヨルダンの南部にある雄大な砂漠渓谷。
その稀有な景観から、スターウォーズやトランスフォーマー、実写版のアラジンといった多数の映画の撮影の舞台にもなっている。
ワディ・ラムに向かう前に給油。
ヨルダンのガソリン価格は現在、RON 90 で約172円。 RON 95 で約219円と 日本よりも高い。
中東に位置するヨルダンは産油国と思われがちだけど、実はほとんど石油を産出しないので ペトロに関してはGCC諸国からの輸入に頼っている。
ワディ・ラム保護区はアカバのほぼほぼ東の一帯に位置しているので、途中から東方向へと進んでいく。
ワディ・ラムの手前。
だんだんとそれっぽい景色になってくる。
ヒジャーズ鉄道の名残
ワディ・ラム地区に入っていく手前に、なにやら放置された鉄道がある。
これはオスマン帝国時代、ハッジ(大巡礼)のために現シリア ダマスカスから 現サウジアラビア メディナまで建設されたヒジャーズ鉄道の名残なのだ。
この車両は完全に役目を終えているけど、今でも現役で運行している区間が不定期であるらしい。
アンマン→アカバへのリン鉱石の輸送や、観光向けの走行もある という情報もある。
しかもその一部には日本車輛(NIPPON SHARYO)製の蒸気機関車が走っているというから是非見てみたいものだけど、今回の旅程ではなかなか難しい。
管理人撮り鉄ではないけど、古い乗り物全般無作為にテンションが上がる病気ではある。
ヒジャーズ鉄道の多くは、開通後 第1次大戦の開幕に伴い、オスマントルコからの解放と独立を掲げる Arab Revlot;アラブ反乱 の攻撃の対象となった。
客室だろうか。いいなぁ・・・
やれた緑が美しい。
特にイギリス人将校 トーマス・エドワード・ロレンスによって指揮されたというアラブ反乱勢力によるヒジャーズ鉄道への攻撃によって、ほどなくして多くの路線は廃線を余儀なくされたようだ。
この一連の過程を舞台にしたのが 映画「アラビアのロレンス」で、管理人も名前だけ聞いたことはある。観たことはない。
きっと70代くらいの世代の方なら誰もが知っている映画なんだろうか。
そんなヒジャーズ鉄道の車両に別れをつげて、さらにワディラム地区へと走っていく。
Wadi Rum Reserve サイト内へ
どうやったらワディラムの景色を見られるだろうか、と何の前情報も得ずにとりあえず突入したけど、やっぱり Visitor Center がしっかり設けられていた。
テクニシャンであれば、バイクでサイト内に入ることもできるかもしれないけど、管理人は無理なので、
バイクは現地の方の家の敷地内に置かせてもらい、
彼の運転でサイト内に連れて行ってもらう。
ガソリンスタンドはなく、ポリ缶売りみたい。
サイト内へ。
Wadi Rum の雄大な景観
Lawrence’s Spring
先述の通り、この辺りはロレンスにゆかりのある地としてロレンスの名がついているスポットがいくつかある。
ここは名前の通り、一帯でとても重要な湧き水の出る場所で、古代からこの地に人類が住み着いた大きな理由でもある。
ワディ・ラム村の子供たちがサッカーをしていた。
地平線までつづく砂漠と、無秩序なように隆起する砂岩と花崗岩の山山。
Red Sand Dune
その名の通り、赤砂が高く盛り上がった砂丘で、
がんばって上までのぼると、凄まじい景色が待っている。
火星が舞台の映画でも度々セットとして登場するのが頷ける。別の惑星に来たような気分だった。
Khazali Canyon
サウジアラビアのアル・ウラでみたのと同じような、2つの山に囲まれた狭い回廊のようなサイト。
Jebel Khazali という名のこの山を2分するようなこの亀裂には沢山の碑文や彫刻がのこされている。
やはりアル・ウラ遺跡にて言及したサムード人によるもの、古代アラビア語として分類される南サフィティック文字、そして人の形をしたペトログリフなど、複数の文化が行き来した痕跡となっている。
Um Frouth Rock Arch
スポットを移動しながら、時折キャラバンキャンプで休憩もできる。
休憩するほど疲れてもいないけど、シャイがおいしいのでとりあえず一息いれる。
すっかり観光地化されているので、そんな各キャンプでは観光客向けのお土産も売られていた。
ここは天然にできた岩の橋。
アーチの上からの眺めが、特に素晴らしかった。
絶景オンリーのワディラムにおいても、かなり一押しな画角といえる。
Burdah Rock Bridge
またシャイタイム。
各スポットを移動中の景色もすごい。
とりあえず人の運転で景色だけ楽しんでられるのもたまにはいいもんだ。
ここも、おそらく自然にできた天然の橋。
今回まわった中で一番観光客が多かった印象がある。
上に立ってみるとアーチの巨大さが伝わるかもしれない。
勝手にポートレート。
夕日を眺めて
シャイタイム・アゲイン をはさみつつ、
夕日眺める系スポットの岩山へやってきた。
ワディ・ラム内に、Sunset View Point はいくつもある。
風もけっこうあって、日が落ちて来るとけっこう寒い。ぎりぎりやせ我慢が通用するレベルの寒さだった。
長波長光によって全てが橙に染まっていくほんのわずかな時間。
まぁもうこんなところで夕日を見ることも一生ないだろうとか思いながら、ワディラムの岩山に太陽が完全に隠れるまでボケーっとするのであった。
デザート・キャンプ
この日はバイクを回収して次の街に行くというテンションではないので、このまま砂漠の中のキャンプに泊る。
デザート・キャンプもワディラム内には沢山サイトがあるので、事前調査が行き届いていれば好みのキャンプサイトを選ぶのも楽しいかもしれない。
管理人は行き当たりばったりだったので、ドライバーの言うがままである。
とはいえ、こんな立派な夕飯と、翌朝の簡単な朝食までついていた。
費用はジープでの周遊や宿泊・食事全部込み込みで17,000円くらい。
1泊の費用としてはかなり割高な事をしてしまったけど、まぁ何回か野営すれば回収されるし、これだけの経験を逃すのはもったいないから 少し奮発してしまった。世界ツーリング中に、こういったツアー的なのにどれくらい参加するかって、けっこうバランスが難しい。
単発の旅行であれば、ガンガン散財してもいいと思うけど 先の長い本旅程においては、全ての予算を鑑みるのはほとんど不可能に近い。
つづく
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