【Kingdom of Morocco episode 9】”Into The Atlas” ~美しきアトラスの世界へ

こんにちは、世界放浪2輪旅を終えた管理人です。
旅は終わりましたが、これからもブログを少しずつ思い出しながら更新していきますので、引き続きよろしくお願いします!

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体調不良も相まって長めに滞在したミデルトの街を去り、いよいよ本格的にアトラス山脈へと進んでいきます。
モロッコを横断するように走るアトラスの山系は、北側から Middle-Atlas・High-Atlas・Anti-Atlas と3系に分かれていますが、この中でも最も険しい High-Atlas の美しい世界が目の前に広がって行きます。

※この記事は、2025年1月の出来事を書いています。

High-Atlas の世界へ

ミデルトからまずは西へ、 Ciro de Jafar という渓谷を目指す。
モロッコを訪れるバイク乗りの間ではけっこう有名な場所みたいで、渓谷の底を走る動画がよく投稿されていた。

ぽつぽつと見えていた小さな家屋もやがてなくなって、

茶色い礫地、雪山、そして真っ青な空のコントラストだけが眩しい世界へと変わっていく。

途中からオフロードになった道をぐいぐい進んでいくと、視界は開けて行って 壮大な雪山の麓に来たことを実感する。

小さな峠。
1月、標高が高くなると凍てつくような空気が鼻づらを赤くする。

道があるとはいえ、この凄まじい大自然の中を バイクだけを頼りに進んでいく時 リスクと表裏一体にある自由を一番強く感じることができる。

分岐を下って行った先が、目的の渓谷につづく道のようだったけど、途中で道路が完全に凍結してしまっていた。
斧で割って轍をつくろうとしたけど、存外に氷が分厚くて埒が明かない・・・
なんとかこの区間だけクリアできたとしても、また同じような凍結がどれくらいあるかも不明だから、仕方なく引き返すことにした。

まぁ渓谷の底はまた違う場所にも似たような所がありそうだったから、そこまで強い執着はない。
こういう時は、自分が単独であることを忘れず 無理せずに状況を楽しめるラインを見極める方が大事だ。

P7319 の舗装路に到達して、そこから道を南に進んでいく。

だんだんと果樹園のように整地された場所が増えてきて、枯れ木と柿(?)と雪山のコラボが何ともいえない雰囲気だ。

しばらくすると、Tounfit;トゥンフィットという村が見えてきた。

Tounfit; トゥンフィット の村

まるで彫刻でできたのかと見紛うように雪山の斜面が美しい陰影を描いている。

そんな険しい山々の麓に、トゥンフィットの村はひっそりと佇んでる。
マラケシュのような、観光地化された大都市とは一線を画す、ベルベル人の伝統的な村だ。

アトラスの村がこんなにも美しいなんて、行くまでは知らなかった。
モロッコという国の印象といえば、砂漠やオールドタウンのマーケットしかなかった。でも、今思い出せば モロッコの真髄は アトラスの山々に隔絶された小さな小さな村々だったと思う。

ちょっとだけセンターを散策。

歯医者発見。

ひょっこりなロバやウマ。

おばちゃんたちが仲良く話しながら通り過ぎていく。
明らかに異質なアジア人+荷物満載巨大バイク がいても、一瞥もくれずに去っていくそんな態度が かえって心地よい時もある。

昼メシを食べて、概ね休憩できたところで出発、

絶景のP7320へ

さらにこの道を南方向へと進んでいく。

遠くからエンジン音を聞きつけて駆け寄ってきた子供たち。

美しさがインフレしていく・・・

このコントラストを、是非拡大して見て欲しい。

名前もないような小さな集落が点在する中、ひたすら息をのむような景色を縫うように走っていく。
空気は澄み切って、鼻腔から入る冷気が肺を満たしていくのを感じる。

2025年、世界がうねるように変わっていく中でも まるで普遍のように思える静かな世界だった。

そろそろ日が傾きだしたなという頃、

思わず止まって写真を撮らずにはいられない集落を通った。

粘土や藁を混ぜて塗り固められたPiséという工法の泥壁は、夏も冬も断熱効果が高い。
コバルトブルーに塗られたドアがまたいい味だしてる。

カワサキカラーがかわいいトラクターと、

景色に溶け込んだミナレットやハート型のドア金具。

ここもまた、まるで1/1ジオラマというにふさわしい、山腹の織成す陰影と その麓の家々。

そんな集落を去って、さらに進んでいくと、

どうやらこの道の最高点らしき 2276m の標識が見えてきた。

激烈な西日の後は、あっという間に日が沈んでいってしまう。低緯度とはいえ、やっぱり日はそんなに長くない。

この日最後の集落を通り過ぎた辺りで、完全に日が落ちる前にテントを設営する場所を見つけられた。

夜は更に冷え込んで氷点下まで気温が下がる。
“ちゃんとしたギア”とそれなりの野営経験がないと、まぁまぁ命にかかわるレベルの気温と立地だ。
近くに落ちてた枝をかき集めて焚火を炊く。

火ってのは不思議で 本来恐ろしいはずなのに、見てると妙に落ち着く。
冬のアトラスの凍てつく冷気から体に暖を取り戻してくれた火が消えるのを見届けて、テントの中でシュラフに潜り込むのであった。

つづく

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