【Kingdom of Saudi Arabia episode 9】アラビア半島横断日記 溢れるホスピタリティに支えられて

こんにちは、グレートエスケープ中の管理人です。

首都リヤドを去り、西へ向かってアラビア半島を横断していきます。
リヤドのKing Khalid モスクで知り合った Abu Naseer氏の紹介で、通過する各都市にて頼り先を訪ねながら移動することになりました。

WiFi環境がしばらく悪く、ブログの更新がなかなか追いつかないため、まとめた長編になってしまいました。

本記事までのルート

As Sulayiil へ

リヤドを抜けてひたすら南西へ。
当初予定していた30号線ではなく、それよりも南側にあるある10号線を進んでいく。

完全な内陸となり、空気は極限まで乾燥しているような気がする。

ほぼ直線530km は、

それはそれで辛いものがある・・・。

気温がそこまで高くないのがせめてもの救い、とはいえ35℃くらいはある。
2か月前は45℃とかだったから、暑いとは感じない。

Route:約535km.

Ad Sulayiil での日々

スレイルでの頼り先、Abu Turki 氏と。

スレイルは砂漠のど真ん中、サウジアラビア全体で見ると

 

ちょうど南部中央にある小さな町。

モスクに住むYaser氏 と。彼の家族は、イエメンに住んでいる。終わらない内戦への不安は、一入だろう。

英語が堪能なエジプト人のMustafa が通訳をしてくれた。スレイル内の図書館前にて。
一番右は、Abu Turki氏の息子君、Turki.

朝昼晩3食全部世話になってしまいつつ、宿まで用意していただき、スレイルには2泊した。

旅は、別れと出会いの連続。スレイルを去る時。

Al Baha へ

スレイルを去り、次のポイント バハの町を目指す。

砂漠を貫くひたすらの直線を、進んでいく。砂嵐はぼちぼちしんどいけど、乾燥してるだけオマーンでのそれよりはマシだ。

タンクバッグに詰め込んだリンゴやバナナなんかを食べながら走る。

西へ西へと進につれて、だんだんと景色に変化があらわれて来る。

岩山がちらほらと姿を見せ始め、

地平線の向こうにも山のシルエットが見え始める。

ヒジャーズ山脈 山道のはじまりだ。

ヒジャーズの山脈は雨の少ないサウジアラビアの中でも時たま大雨が降る地域で、丘陵地帯には肥沃な土壌が豊富に存在している。

そのため、イスラム以前の古代から、人が定住し農耕を営んでいたという。

道はド直線からワインディングへと変化し、バイクで走るには楽しい道へとなってきた。
砂漠しかないと思われがちなサウジアラビアだけど、ヒジャーズでは部分的に最高地点2,000mを越える峰が連続する場所もある。

気温もどんどんと下がって、20℃を切りだす。
今回はじめてインナージャケットを取り出すことになった。

そんなヒジャーズ山脈の中に佇む山岳都市 Al Bahaに到着。

日が暮れていく。

道路の上を併走するような縞状の雲が、波長の長い可視光を反射してピンク色に染まる。

Route:約610km.

ここでの頼り先である、Abu Saeed 氏と。
この日は、バハ中心地よりも南に約30kmほどの Baljurashiという町に泊めてもらうことになった。

Al Baha での日々

Baljurashi 観光

翌日、バルジュラシの町を案内してくれた Abdulaziz氏と。
標高2,000mの町なので、マイクロパフを着ている。

バルジュラシの博物館前にて。

バルジュラシの町と、養蜂の小屋。
この界隈は養蜂と蜂蜜で有名なんだって。全然知らない地域の名産物とかを、経験を通して覚えられるのはなんだか楽しい。
教科書で地域の名産物を覚えるのとは、少し違う。

そしてバルジュラシからバハへ移動。山岳都市の光が夜の山稜に点々としている。

バハでは Ahmad 氏を頼る。
また宿まで用意してもらってしまった。

Al Baha の朝市と公園

バハの街の老舗パン屋。

街角のイケメン。

朝市は楽しかった。

確かに蜂蜜が売られている。

昭和の日本にもきっとよくあった風景。

ウズラやガチョウ、ニワトリなどが多い。
そしてなぜかヤマアラシが売られていた。食用?

朝市の少年たち。

バハの街では Thee Ain の古代都市遺跡を訪れたのだけど、それはまた別記事で紹介しようと思う。

街中にある大きな公園にて。

公園内にあった吊り橋中央から撮ったバハの山並みと、仲良しな2匹。公園内にはネコ以外に野犬と猿が沢山いた。

山腹にあったとある家にて。

Al Baha のオリーブ農園

中心部から東に15kmほどの場所にある Al Zaitouna 農園。
ここはオリーブの農園だ。

オリーブの木は乾燥に強く、根を地下深くまで下ろして逞しく生育することから、中東でも栽培種の主力であることが多い。
サウジアラビアでは、特に北部の Al Jowf などがオリーブオイルで有名だけど、西部の山岳丘陵地帯にはこのようなオリーブ農園が沢山あるらしい。

抽出用の機械はイタリアから輸入されていた。

農園内のインコ。

マグリブの農園と、不思議な雲。

バハで世話になった皆と。
バルジュラシで1泊、バハで2泊、食事も宿も全部世話になってしまった。

Taif へ

バハを去り、次は Taif という町を目指す。天気が良くて気温はそこそこだけど、標高が高いのでとても快適だ。

走っていると、ところどころ手つかずの遺跡が点在している。

Route:約250km.

タイフでのチェックポイントに到着。
部屋は,,罪悪感でとても載せられないくらい綺麗で豪華な部屋だった。今回も宿泊費はなし・・・なんかだんだん悪くなってくる。

タイフでの滞在地は、まさかのサウジアラビア空軍施設内。

頼り先の Abudullah 氏やその同僚の方と。
施設内で馬にも乗せてもらったりした。

Taifでの日々

タイフに着いた当日は、FIFAワールドカップの開催日だった。
野外の大型スクリーンで開会式を観る。

タイフのモスクの皆。
ワールドカップ初戦を観戦しつつ、夕飯を食べている の図。

Taif 旧市街を巡る

タイフは標高約1,800m台の避暑地で、メッカやジェッダといった西部大都市とも幹線道路で通じていることもあって夏には政府機能がリヤドから移され夏の首都とも呼ばれている。
そんな避暑としての名残を残すのが タイフ中心部にあるシュブラ宮殿。
1858年に建設された後、1905年に改築され 初代Abdulaziz国王も夏の離宮として利用していたらしい。
90年代に博物館となって、今でも内部を見学できるけど 残念ながら当日はメインテナンス中で入れなかった。

シュブラ宮殿前で、Khalid氏と。
Khalid は年齢も近く、性格が強めなアラブ人の中ではとても穏やかで、年齢も近いのもあって、とても仲良くなれた。

タイフの中心地。

タイフにはイスラム史上とても重要なランドマークであるモスク、
Abudullah Ibn Abbas モスクがある。

建設はヒジュラ歴の592年、つまり1196年頃と古く、世界的にもかなり古いモスクのひとつといえる。

そんなわけか、モスクはここを訪れるムスリム達により大混雑。
インドネシア人ムスリムが多く、大型のバスで乗り付けているあたり、ツアーの一環になっているんだろうか。

モスクの一部は図書館として公開されていて、石板やかなり初期のクルアーンが展示されていた。

建設当時の壁面の一部。

多く訪れる観光者目当てか、モスク前の通路は市場さあがらである。

タイフのオールドマーケットを巡る。

古い商店が並び、やっぱり蜂蜜が売られていることが多い。
メルセデスの電動カー。

オールドマーケットで一番古いコーヒー店の店内。

やはり古い商店の棚一面に並ぶアラビックコーヒーの数々。

マーケットのメインストリートで遊ぶ子供たち。

オイル専門店にて。

様々な種類の植物や種などを店内のグラインダー(?)で圧搾してオイルを作っている。

ちょっと試してみる?という店主。
すさまじい味だった。
顔を歪める管理人を見て爆笑する皆、いや、悪意。

そこかしこに、古い建物が並んでいる、タイフは素敵な街だ。

Taif は バラの街

タイフは、世界でおそらく最も有名なバラの生産地だと、管理人も知らなかった。
数百か所以上あるというバラ農園のバラが集められる加工場のひとつに連れてきてもらった。

園内では伝統的なローズオイルの抽出法などを見ることができる。

伝統的な方法で使われていた窯。

現在はこの巨大な機械をつかって効率的に生産されている。
30万本のバラから、わずか10ℓしか採れないタイフのローズオイルは世界一高価かつ高品質で、約12mlの金額が1,500~2,000SAR(=約55,000円~73,000円)にもなるというから驚きだ。

加工場内の一景。

場内では、タイフのバラによってつくられた様々な加工品を買うこともできる。
管理人はあまり興味がないので詳しいことはわからなかったけど、化粧品好きの女性がきたらきっと楽しく散財してしまうと思う。

Jebel Al Hada

タイフの街は、先述の通り標高1,800m台の山岳都市で、特にメッカ方向へ走るアル・ハダ山の山岳道路が有名らしい。

曲がりくねった山岳道路の脇には、タイフ産オンリーの果物や野菜が売られていた。

バハ~タイフの山岳道路にはマントヒヒが多く出現する。
時に狂暴なので、近づきすぎるのは禁物。

そしてこれが山頂を取り囲むような道路が印象的なアル・ハダ山の絶景。ここは最高地点ではないものの、この景観が特徴的で、タイフの代名詞的なスポットとなっている。

時おり、山肌に昔使われていたラクダ用のジグザグ道が見えるものの、カメラではとらえることができないほどかすかなものだった。

他、タイフ郊外のミュージアムにて。
本当にいろんなところに連れて行ってもらった。

市内 マグリブのモスク。

タイフを去る時、Khalid と。
結局タイフには3泊、やはり宿泊も食事も全て世話になってしまった。感謝しかない。
そしてこんなに沢山いただきものが・・・・
勿論バイクでは運べないので、日本の実家に発送してくれるという。

おまけ

白バイはサウジもホンダ。

つづく

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