【Sultanate of Oman episode 5】アラビアン・ビューティー真骨頂 ~Sultan Qaboos Grand Mosque in Sohar ソハールのグランドモスク

こんにちは、グレートエスケープ中の元勤務医です。

ソハールの街はシンドバッドゆかりの地といわれますが、どのように「ゆかり」があるのかはよく分かりません(ちゃんと調べてない)。
そもそもアラビア語で書かれた元来の千夜一夜物語にはシンドバッドの物語は存在しないらしい。
当時マスカットは全然栄えていなかったことを考えると、中世における「イスラム商人を象徴するアラビア半島の街」という解釈での「ゆかり」なのかもしれない。

まぁそんなことはさておき、そんな漠然とした 中東の街 というイメージを完膚なきまでに裏切らないモスクがこの街にはあるのであった。

Sultan Qaboos Grand Mosque in Sohar

ソハールの中心から少し走った場所にそのモスクは鎮座している。

Sultan Qaboos Grand Mosque in Sohar.
“in Sohar” とわざわざ書くのは、この名前のモスクがオマーンには沢山あるから。
とくに首都マスカットにあるものが有名で、” in Sohar ” がないと基本的にはそっちを指してしまうかもしれない。

 

このモスクにおいてとにかく目を引くのは正面ゲートのこの装飾・・・・!

一体どんな風に頭のネジがぶっとぶとこんなデザインができるんだろうか。
管理人、青が好きなので、本当に見とれて見とれて もう首が痛い。
これは「Muqurnas :ムカルナス」とよばれるイスラム建築における伝統的な装飾法のひとつで、もともとはイランで発生したらしい。
イランといえばペルシャであり、ゾロアスター教の中心だけど そのイラン由来の意匠がアラビアに逆輸入されているという感覚なのだろうか。

モスクの名前は 2020年1月まで在位していた前国王 Qaboos bin Said の由来。
2016年完成と、まだ新しいモスク。

装飾のひとつひとつが繊細で、美しい、ペルシャ文化を連想するようなタイルワーク。
ムカルナス同様、偶像崇拝を頑なに忌むイスラム教圏では、幾何学・植物・モザイクといった文様が発達したのかもしれない。

四方は白亜の巨大なミナレットで固められている。

ゲートをくぐり、内部へ。
時たま、「マスカットのグランドモスクが、オマーンで唯一ムスリム以外が観光できる」という記述を見るけど、実経験的にはこのように他のモスクも入ることはできた。ただ、メインの礼拝室の中に入れる という意味で記載されているのかどうかは不明。

 

内部より、メインのゲートを。斜陽が照らす美しい造形と 青~白のコントラスト。

床は大理石なのか??
綺麗に磨かれているようで、スクエアの塀どりがきれいに反射する。

回廊。既に日が傾いてきている。

このモスクのイメージカラーは完全に「青」だ。
メインのドームは一部が修復作業中のようで足場が組まれていたけども、鮮やかなコバルトブルーのドームが美しすぎる。

魚眼と標準レンズを交換しながら写真を撮りまくる管理人を、訝しい目で見るスタッフ。
そんなことは、気にしていたら写真なんて撮れない。

「目に焼き付ける」とよくいうけれど、人間の記憶というのは本人が思っている以上に儚くて頼りない。
良いな と思った事は、風景であれ言葉であれ、なにかしらの媒体にとどめておくのがいいのではないかと思う。だから写真を撮るのはすごく大事なのだ。

この茶色の柱の奥が、礼拝室になっている。
ここから先は ムスリムではないとダメ とのことだったけど、さっきまで訝しい目で見てきてたスタッフの一人が、

遠くから来たんだね、部屋の中まではダメだけど、靴脱いで上にあがっていいよ

と、言ってくれた。

内部も妥協のない絢爛なインテリアだ。
ここは4,600人の礼拝者を収容可能という。

巨大なシャンデリアと、

金色とターコイズブルーで繊細に装飾されたミフラーブ。
※ミフラーブとは、モスク内でメッカ・カーバ神殿の方角を示すために施された壁の構造のこと。

四方を囲む塀にはそれぞれ回廊が繋がっていて、どこからでも外へ抜けられる。

モスクの敷地面積は 181,000 m²という広大なもので、そこに庭園や駐車スペースなどが綺麗に収まっている。

ゴミ一つない 管理された空間。
そんな空間にバイクを持ち込んでよかったのかは (・・?

・入場料なし
・Covid関連チェックなし
・というか完全フリー入場

日が暮れて また違う表情をみせるモスク

管理人はトリップアドバイザーでもなんでもないんだけど、中東であれどこであれ モスクや教会を訪ねるのであれば夕暮れちょい手前くらいの時間帯がおすすめと考えてる。

というのも、まだ日があるうちは太陽光のなか煌びやかに映える建造物を楽しむことができるし、

少し見て回って時間がたてば、ほどなくして日が暮れて ライトアップされ 浮き上がる全く別の姿も見ることができる。

つまり2度おいしい的な。

メインゲートにつづく道も、つつましくライトアップされた。

魚眼で、ようやく全体を画角に収められる。

先ほどまでは青と白のコントラストが眩しかったメインゲートの装飾も、全然違った印象を与えてくる。

今回、一番うまく撮れたと自画自賛の写真。

メインドームのライトアップ。

遠くの月とメインドームへの照射光が出るミナレット。

回廊の明かりが、地面に反射して上下シンメトリック。

回廊の電飾も、実に計算しつくされた(かのような)配置にある。

Tenere × Sultan Qaboos Grand Mosque in Sohar

こんなド正面に700ccバイクもってきて大丈夫だろうかとビクビクしつつ、
ここまで壮大な規模なのにも関わらず、ここまで近距離までバイクを持ってこれるモスクもそうないので、記念に1枚。
結果、誰もいないから全く問題なかった。

おまけ

ソハールの街を走っているときに発見!
フェアレディ 280Z。北米輸出仕様かな?

つづく

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